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ロシア・バレエ・ガラ 2018

普段はガラ公演は見ないのだが、しんどい仕事が終わってストレスも溜まったので急遽観ることを思いつく。ペレンもルジマトフも久しぶりだし、『牧神の午後』なんかもやる予定だし。
第一部
1、「パ・ド・カトル」 あまり期待していなかったが、これはとても美しかった。「バレエってやっぱり綺麗だな」と改めて関心してしまった。タリオーニ役にイリーナ・ペレン。
2、「牧神の午後」「ニジンスキーの肖像」という舞台の中で踊られたもので、ルジマトフによる改定再振り付け。黒いスーツ姿のニジンスキー(ルジマトフ)が舞台中央の床に座ってタバコをふかしている。立ち上がって黒いシースルーをまとったユリア・マハリナ(恐らくニンフ役)と絡んでいく。所々にオリジナルのニジンスキーの振り付けを思わせる仕草が入る。劇の都合なのだろう、音楽が終わらないうちに暗転して幕になるのがちょっと物足りない。
3、「オネーギン」パ・ド・ドゥ プーシキン作品のバレエ化だが、チャイコフスキーのオペラではなくシベリウスの『悲しいワルツ』を使っている。イリーナ・コシェレワとミハイル・ヴェンシコフ。
4、「眠りの森の美女」よりパ・ド・ドゥ ご存じ見せ場たっぷりのグラン・パ・ド・ドゥ。オクサーナ・ボンダレワとボリス・ジュリードフ。

第二部
1、「ムーア人のパヴァーヌ」 シェイクスピアの『オテロ』をバレエ化。オテロが副官イアーゴの讒言から妻デズデモナの貞淑を疑い、殺害してしまう悲劇を、クラシックのマイムは使わず、様式的で静かなしぐさで4人のダンサーが演じていく。ルジマトフの円熟した魅力がよく味わえる作品。オテロ:ルジマトフ、デズデモナ:ペレン、イアーゴ:アレクサンドル・オマール、イアーゴの妻エミリア:クリスティーナ・マフヴィラーゼ

第三部
1、「ばらの精」 ニジンスキーの名演があまりにも有名なバレエ・リュスの演目。この作品だけはオリジナルの振り付け、衣装、背景。初めての舞踏会から帰ってきた少女(アナスタシア・ゴリャチェワ)の夢にばらの精(アンドレイ・ヤフニューク)が現れて陶酔の世界へと誘う。ゴリャチェワがとてもよい。ヤフニュークのばらの精は今ひとつ妖しいエロスが足りないが、初々しいアイドルみたいで、これはこれでおもしろかった。
2、「confession-告白」 ユリアナ・マハリナのソロ。人生の様々な局面での選択、それを経ての精神的な成長を、マイムは使わずに踊りだけで描くというなかなか難しい作品。
3、「Six Years Later」 ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を用いて、男女が官能的なパ・ド・ドゥを踊る。イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ
4、「レクイエム」 サリエリ(ルジマトフ)がモーツァルトを憎みつつもその芸術を愛する様をソロで演じる。
5、「ドン・キ・ホーテ」 これまたクラシックの見せ場満載のグラン・パ・ド・ドゥ。オクサーナ・ボンダレワ、セルゲイ・マヌイロワ、マリア・マリーニナ、ラウラ・ティファニー・スキミッド

ルジマトフがマリインスキーとミハイロフスキーのダンサーをピック・アップして、ダンサーの魅力でお客を集めたという感じの公演。現代的な小品が多く、舞台に上がるのは最高で4人、背景もほとんど使わず、踊りだけを見せるという、いささか通好みの構成で、それを補おうということなのか、すべての演目が終わってから、ダンサーたちが次々に出てきて、これでもか、これでもかと技を披露する大ボーナスつきで、お得感が最後で一気に高まった。ルジマトフの「ムーア人のパヴァーヌ」は見応えがあったし、「ばらの精」がオリジナル版で、内容もなかなか良かったこともあって、満足。

2018年9月1日 文京シビックセンター

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